まえおき!!
今回の資料は、たまたま古い文献を漁っていて見つけました。
かなり古い文献なので、現在と内容が一致しない場合もあるかと思いますが、ミキシングする上で少しでも参考になればと思い、載せました。
何かのヒントになれば幸いです。
1. 難 問
「自分が正しい」ということがどのようにしたら分かるか、確固たる答えは得にくい。良い音とは時代と共に変化するからである。'50,'60年代に受け入れられていたものが、今の時代は適用しない。過去10年のレコーディングは、中域とリバーブ、エコーに力を入れてきた。それ以来、徐々に広帯域化と少ない残響により、クリーンでスムースなサウンドヘと変化してきている。
また、臨場感あふれるサウンド造りが目標ならコンサート会場の最良席での演奏に近いものが良いとされ、この時の楽器の音が、善し悪しの基準となるだろう。しかし、ほとんどのポップスのレコーディングにおいて行われているように、特別な効果を付加したり誇張したりして、芸術的な(?)音楽をつくりあげることが目的となると、その音楽的価値観ははっきりしない。
ポップグループのライブの音をひとつの参考にしようとすればできないこともないが、ただ、彼らの場合、レコード(CD)のほうがライブより音が良い。ヴォーカルはライブよりはっきりし、耳ざわりも良いし、べースもタイトで鮮明である、などの違いがある。ポップミュージックは、ライブとは別に独自の世界を造り上げてきている。
最近ではポップミュージックの良いレコーディングの定義は「クリーン、ワイドレンジ、トーナル(音色)バランス、タイトなサウンド」である。さらに、シャープなトランジェント、ワイドで細かいところまではっきりしたステレオ感、臨場感、透明感によるスムースさと広大感などである。ダイナミックレンジは広く、コントロールされ、クリエイティブでセンスの良い効果音が使われている。
これらの要素を詳しく掘り下げてみよう。そうすればどんな音を追求したら良いかが分かるだろう。なお、モニターするどんな音にもカラーレーションの無いよう、モニタースピーカーは正確であることが前提である。
2. ク リ ー ン
クリーンとはノイズ、歪みがないことである。テープヒス、ハム、歪みは、録音の良いものからは聞こえない。ここでいう歪みとは、レコーディング時に生じたものを言う。エレキギターの歪みやレズリースピーカーから生じる「楽音としての歪み」の意味ではない。クリーンな音作りには以下のことが条件である。
(1)適正なレコーディングレベル
(2)コンソールでの適正なレベル配分
(3)調整されたテープレコーダ
(4)質の良いテープ
(5)ノイズリダクション装置
(6)外来雑音の無いスタジオ
(7)適切なアースとシールド'処理
**(3)〜(5)に関しては、今はデジタルが主流の為、デジタル機器のベストチョイスが重要になっています。**
ローカットフィルタにより、エアコンや床からのランブルノイズは除去できる。マイクの位置を目の高さにしたり、ウインドスクリーンにより,ヴォーカルのホップノイズも取り除くことができる。
また、クリーンというのは音が濁っていないことも意味する。つまり、低周波によるオーバーハングや洩れがないことである。べースの音はダイレクトに録音し、べースアンプは音量を小さめにすると良い。音の洩れについては、マイクをオンにセットするか、オーバーダビングにより防ぐ。
クリーンミックスとは手が込みすぎず、整ったバランスのことである。このためには似たようなパートが重複したり、一度にたくさんの楽器が鳴らないようなアレンジが必要になる。
3. ワ イ ド レ ン ジ
周波数特性はできるだけローエンド、ハイエンドが伸びていた方が良い。シンバルは歯切れよくクリーンで、キックドラムは深みがあり、しかも濁った低音てはいけない。
ワイドに録るためにはハイクオリティなマイクと、ハイスピードで質の良いきれいなヘッドのテープレコーダーが必要である。
4. 音 色のバランス トーナルバランス
レコーディングにおける全体の音色バランスは、押し付けがましかったりトレブリーであってはいけない。このことは周波数帯域、スペクトラム全体のLow、Highの帯域全体が同じバランスに聞こえることである。もし、どこかの帯域が強調されていると、しばらく聞いているうちに聴覚疲労が生じる。
5. 良いミキシングとは。。。
良いミキシングでは、ヴォーカルや楽器それぞれが適度のバランスを取り合っている。どの音もはっきり聞き取れて、それでいて、どの音がひどく目立つということもない。ただし、バックの音よりメインの楽器やヴォーカルの音量が大きいのは当り前である。
「良いミキシングかどうか」ということの判断は、「気にならない」ということである。つまり、すべてのトラックのバランスがとれている時は、飛び出しすぎる音も引っ込みすぎる音もないのである。
しかし、時にはある種の音をボカしたり、小さくして微妙な音作りの効果を狙うこともある。
ミキシングは音楽のスタイルにマッチしていなくてはならない。ロックサウンドのミキシングが必ずしもカントリーに向くとは限らない。ロックの典型的なミキシングでは、ドラムの音がかなり前に出ていて、ヴォーカルはほんのわずかしか、バックより大きくない。反対にカントリーでは、ドラムはほんの味付け程度で、ヴォーカルの音量がいちばん大きい。しかし、カントリーのロック化で、この差は小さくなってきている。
ミキシング時にレベルチェンジするのは、よほど巧妙でないと不自然である。フェーダーはゆっくりと動かすこと。さもなければ、曲中のポーズ中にプリセットの位置ヘセットしておくと良い。スタートは極端に小さく、徐々に音量を上げる手法ほど、素人くさいものはない。エンジニアがフェーダー操作しているのがみえみえである。
6. ス ム ー ズ
ここで、音のより微妙な面に話を進めよう。"スムーズ"とは、ありのままで耳障りでなく、聞き心地が良いことである。歯擦音やサ行の発音は、つんざくような音でいけない。スムーズで無理のない音はリラックスできるが、不自然でイライラする音は、耳や身体の中の筋肉まで凝らせてしまう。スムーズとは、周波数特性上で鋭いビークやディップがないことである。そのためには、以下のようなことが望ましい。
(1) 高性能マイクの使用
(2) なだらかなカーブでEQを使用する。
(3) マイク同士の位相干渉を避ける。
(4) ミッド、アッパーミッドの帯域での過度なブーストを避けること。
7. 臨 場 感
これは、あたかもその部屋に楽器があるかのようなリアルさのことである。言い換えれば、音色の明確さ、精密感、迫力のことである。
臨場感を得るには、マイクのセットをONにすること、オーバーダビング、マイクの5KHz前後、ヴォーカルは2.6KHz、ベースは1.5KHz、バスドラムは2.5KHzである。臨場感とスムーズとは、時にはお互いに相反する性格なので、両者の妥協点を捜すのが腕の見せどころとなる。
8. 明 瞭 度
楽器のサウンドは雑然と重なり合わず、一つ一つが明瞭にブレンドされなければいけない。このテクニックは微妙で非常に難しく、まさに真の芸術と言える。
この音の分離度は各楽器がそれぞれ違った周波数帯域を占めるために生じる。例えば、Lowをベースが、MidLowをキーボードがUpperMidをリードギターが、Highをシンバルがといったようにそれぞれの帯域で強調されたとき生じる。サイドギターは時々、ピアノと同じ帯域であるためマスクされてしまう。こんな時、ギターは約2KHz,ピアノは約7KHzをブーストすると分離度が増す。
普通、楽器の数が少なければ少ないだけ分離度は良くなる。オーバーダビングが多ければ音は濁ってくる。また、直接音に対して、残響を約20m/sec遅らせて付加するとリバーブがあってもクリアーなサウンドが得られる。
9. 広 が り 感
Spacious,Airyという意味は、楽器をとりまいている広々とした空間感のことである。この空気感・空間感がないと楽器の音は、まるでいっぱいの押し入れの中のように聞こえてくる。この広がり感を得る方法を、次に上げてみる。
(1) 楽器の表面からの響きを拾ってみる。もし、クロストークの心配がなかったら、楽器全体の響きを全部拾えるギリギリのところまでマイクを離してみる。
(2) 原音に人工的な残響音を付加してみる。
(3) マイク間にわずかのリーケージをもたせる。楽器からマイクを離し、他の楽器からの洩れの音を拾ってみる。しかし、あまり離すと音は濁り、分離も悪くなる。
(4) L・Rにわずかのクロストークをもたせる。もし、それぞれの楽器が完全に分離していると一つの部屋で一度に演奏しているというイメージは出しにくい。この場合、L・Rチャンネル間にクロストーク、相関をもたせてみる。LからRへ、RからLへ少しリークさせてみる。これにはステレオリバーブが良い効果を生み出してくれる。原音に対して、ディレイ音を反対のチャンネルに振る方法も良い。また、特に二重奏のレコーディング時、極端にL・Rにパニングする場合にも、ほんのわずかセンターに振ると良い効果を得られる。
10. 音の切れを良くするには。。。
シンバル、リムシヨット、べース、ドラムの打者は、普通、シャープでクリアーてなければならない。シャープなトランジェントを得るためには、以下のことが必要である。
(1) アコースティック楽器には、ダイナミックマイクよりコンデンサーマイクを使う。
(2) エレキベースにはDIボックスを使う。ベーシストはパーカッシブに演奏したり、ピックを使用する。また、べースにコンプレッサを使用する場合、アタックはそのまま通るようにアタックタイムを長めにセットする。
(3) パーカッションは5~10KHzをブーストする。
(4) キックドラムは枕や毛布を使ってミュートすること。マイクはビータの近くで、ヘッドのセンターより少し横にセットする。
(5) レコーディングレベルを上げすぎて、歪ませないこと。
11. べースとドラムの関係
バスドラムとベースはリズム的に一つの楽器かと思わせるほどしっかりと絡み合わせること。なお。べースはアタッキーな奏法をとること。ドラマーとベーシストは同時にアクセントが出せるようにそれぞれのパートを一緒に練習すること。ベースとキックは、それぞれの特質を殺さないように別々にイコライズすること。例えば、べースは60~100Hzをわずかブーストし、キックのアタックより低い感じにする。さらに明瞭度を上げるため、200~400Hzをカットし、または、1.5KHz付近をブーストしてもよい。キックは2.5~8KHzをブーストすることにより臨場感を得ることが出来る。とにかく、タイトなドラムとベースサウンドを得るには、キックのミュート、べースのダイレクトピックアップが重要である。
12. 良いステレオ感
ステレオと言っても単にL,Rに音を振り分けることではない。普通、L,Rのスヒーカーの間に広がる空間のいくつものポイントに、左右のバランスを考えながら、パンポットで音像を定位させていく。特に同じ周波数レンジを占めている楽器どうしを分離させるためにはセンターを基準にL,Rに振ると良い。しかし、ある音は定位をはっきりさせたくない場合もあるだろう。バックコーラスやストリングス等は一点から出る感じよりは、むしろ全体からの方が良い。リードギターソロなどに豊かな広がりを与えるにはダイレクト音をLに、ディレイ音をRに振るのが良い。
さて、もう一つ重要なのは音の前後感、距離感である。この奥行感を表現するには楽器へのマイクセッティングの距離をそれぞれ変えたり、楽器それぞれに違ったリバーブをかげればよい。直接音に対し、リバーブが多ければ音像は引っ込むし、少なければ前に出てくる。なお、チャンネルのリバーブセンドVRのブリ/ポストスイッチをプリにセットすることにより、フェーダー操作のみで、その楽器の遠近感を出すことができる。
13. ダイナミックレンジの広さ
レコーディング時、ダイナミックレンジを広くとることによって、音楽が生き生きしてくる。ダイナミックレンジを大きくするには、過度なコンプレッションを避けながら、ノイズリダクションを使うと良い。コンプレッションしすぎるとサウンドは平面的になり、強弱が表現できなくなり、音楽のインパクトが失われてしまう。しかし、ヴォーカルには多少のコンプレッションが必要である。ヴォーカリストによっては、びっくりするような大声の人もいれば、バックに消されてしまいそうなほど、小さくなる人もいるからである。コンプレッサーによりヴォーカルやべースのレベルを一定に保たせることが出来る。
14. 特長のあるサウンド
レコーディングした音は、時として、単調で特長がなく色合いに欠けることがある。こんな時、イコライザー、エコー、リバーブ、ダブリング、コーラス、フランジャー、コンプレッサーなどのようなエフェクターを使用することによって、「作品」として仕上げることが出来る。これらのエフェクターをいつもと違ったチューニングや組み合わせで使用してみるのも良い。ヴォーカルの一部やシンセサイザーにはオーバーダビングが面白い。サウンドをカラフルに面白くする作業は、ハイファイと矛盾することなので、エフェクトやイコライジングは慎重に行なうこと。しかし、例えは、オーバーにイコライズされたスネアの音でもワイドレンジでバランスのとれたサウンドにすることは可能である。
すべてに卓越し、すばらしいサウンドのレコードはビル・シニーによる"The Sheffield Track Record"(Sheffield Labs,Lab20)である。
レコーディングエンジニアやプロデューサーにとってこれは「芸術の域に達した音」を学ふ、必須のコースである。他のレコードではDonald fagenの"The Nightfiy"(Warner Brothers 23696-1.Engineer by Roger Nichols,Daniel Lazarus,Elliot Scheiner;produced by Gray katz;Hastered by Bob Ludwig)がある。
このレコードの音は、刃物のような鋭さがあり、エレガントで、味わい深く、スピーカ一から生きもののように音が飛びだしてくる感じである。
15. クラシック音楽考
ポップミュージックと同様、クラシック音楽もやはり、クリーン、ワイドレンジ、音色バランスが取れていなけれはならない。しかし、クラシックのレコーディングではライブ演奏そのままの再現が要求されるので、特に音色的な正確さ、良い音響空間、楽器のバランス、遠近感、定位の正確さ、等が要求される。これらの事項を、次に探ってみる。
16. 音色の正確さ
再生音は実際の楽器の音と同じでなければならない。このためには次のことが必要である。
(1) フラットなマイクを使用し、演奏グループから適度な距離にセットする。
(2) 部屋の定在波を拾う位置にマイクをセットしないこと。マイクの位置を多少ずらせて実験してみると良い。
(3) マイクの近くの堅い表面からの反射によるフェイズキャンセレーションを避けること。PZMや他のSurface Mounted MICを使うのが良い。
17. 良い音響空間(コンサートホール)
コンサートホールの音響は演奏される音楽のスタイルに適していなけれぱならない。残響時間は短かすぎても長すぎても良くない。短かすぎると、安っぽく、深みや空間的な拡がりの欠せた音になる。また、長すぎても音が重なって不明瞭で濁った感じになる。室内楽やソロ演奏に理想的な残響時間は1.2秒、交響楽は1.5秒、オルガンのリサイタルには2秒が良いとされている。
18. バ ラ ン ス
レコーディング時のバランスが良いと、楽器の相関的な音量は、あたかも良い客席に座って聞いてもいるのと同じように聞こえる。例えば、バイオリンはオーケストラの他の楽器と比較しても大きすぎず、小ざすぎない音であること。また、和音や体位法の旋律は釣り合いがとれていること。
普通、バランスの良いレコーディングをするには2、3本のマイクを演奏者の上方1.8mぐらいにセットするのが良い。この場合は、ミキシングよりも、むしろ、指揮者、作曲家、演奏家がバランスの決め手になることに留意した方が良い。以上が、原則であるが、例外として、何人かのレコーディングエンジニアはクラシックのレコーディングにマルチマイクの手法をとっている。
19. 遠 近 感
遠近感とは演奏者と聴衆者との距離感をいう。マイクセッティングが演奏者に近ければ近いほど、レコーディングの音も近い感じとなる。演奏曲目に適した遠近感を出せるマイクの位置を捜すのが良い。緊張感があり、リズミカルで躍動的な作品はマイクを近めにすると良いし、華麗でロマンチックな曲は少し離れたたセッティングが良い。
もし、マイクが近すぎると、音はとげとげしく細かな音まで拾いすぎドライブな感じとなる。逆に、離しすぎると、不明瞭で残響が多く濁った音になる。録音した音の距離感が、自分の座っている席の8列くらい前からか、あるいは膝くらいか、または隣の部屋くらいの距離かりか、聞いてみると良い。どの程度、レコーディングにアンビエンスや残響が盛り込まれているかは、遠近感と深い関わり合いがある。マイクのセッティングは、オーケストラからのダイレクト音と、ホールからの残響音とが、ほどよいバランスになる所にセットすると良い。
20. 正 確 な 定 位
再生音の楽器の定位はライブ時と同じ場所であるべきである。このためには意図したとおりになるまでステレオペアーマイクの角度や距離を調節しなければならない。あるいはAdjustable Stereo Spread付きのマイクを使うと良い。二本のマイクの角度や距離を少なくすると広がりは狭くなるし、逆にすると広くなる。楽器やかうセクションのスケール感も元のサイズどおり再生されなければならない。 ギターはポイントソースだし、ピアノやストリングスは多少広がりがある。再生された残響(コンサートホールアンビエンス)は聴く人の廻りを取り囲む感じ,あるいは少なくとも両スピーカー間で均等な広がりをみせなくてはならない。楽器の定位が正確であれば残響の広がりも均一になる。
再生時、MadsenのAnbience Extractionの方法(もう一セットのスピーカーシステムをパワーアンプアウトプットにつなぎ、リスナーの左右0.9~3.6mにおく。そしてアッチネータ、バッドなどでフロントに対し、サイドスピーカーのレベルを気付かれない範囲で上げる) をとるとアンビエンス感が増し、音の深み、リアリズムも大幅に増大する、Try it!
21. ふさわしいサウンド
芸術の一般的な法則で、レコーディングにもあてはまるものとして"The Medium is the message"がある。音楽のスタイル、歌詞がメッセージを伝えるのと同様に、レコーディングでも同じメッセージをサウンドで表現するのである。例えば、ロックは本来、粗野で生々しいものである。そのエネルギッシュなロックに洗練さやクリーンさ等のレコーディングテクニックを加えても必ずしもうまくいかない。かなりのリーケージを許し、ガレージの中やライブハウスの雰囲気を出すアンビエンスがあっても良い。特にドラムは重要でミキシング時も大音量にする。タムも響きわたるようにする。
ディスコ、R&C、モータウンサウンド等は大衆受けを狙って、タイトでスムースで、スベーシーでしゃれたセンスに仕上げられている。ドラムはミュートされている。
カントリーはフィーリングを重んじ、あたたかみや情感を出すためにべースとヴォーカルが強調されている。自然な空気感を出すため、アコースティックギターとドラムスはオフマイクセッティングにする。
実際には、音楽のジャンルに合わせて決まったレコーディング方法があるわけではない。一曲一曲の曲想を大切にしながらサウンドを仕上げていくのである。
どんなサウンドにしようかと迷うときには、音色のバランスをナチュラルにあるいは、少し明るめに保つと良い。そうすれば、意図するものにかなり近づくことができる。例えば、ヴォーカルはPAのようなサウンドではなく、実際、自分の前で歌っているようにする。アコースティックギターもやはり目の前で演奏しているようにする。サウンドボールが耳元にあるようではいけない。ただし,それが意図的であるなら別であるが....。
音を分析する能力を育てるには、たゆまぬ修業過程を経て実現できる。耳のトレーニングには良悪のレコーディングの実例を最新の注意を払って聴いてみたり、本書で述べた事項を実戦し、自分の作品を主演奏や他のレコードと比較したりしてみると良い。
自分のレコ一ディングがクリーンでナチュラルで充分良いミキシングであると分かったら、次のスナップはクリエイティブなサウンドづくりを目指すことである。その究極にすばらしい世界が現れるはずである。
如何でしたか?
今、ミキシングの勉強している方も 今、現役でされている方にも何らかの参考になれば、幸いです。
最後まで読んでいただき、有難うございました。
また、音響に関して分かりにくい点、普段疑問に思っていることがありましたら、私が答えられる範囲で対応したいと考えています。
今後ともよろしくお願い致します。
かなり古い文献なので、何処から抜粋したものかも不明です。お許しください。
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